予想を超えた、もの凄い作品だった。

子供達が母親に置き去りに去れ、
電気ガス水道が止められ、餓えて行きと
とても荒ましい話が
透明感や優しい空気に包まれるように、淡々と進んで行く。

淡々としたエピソードの積み重ねなんだけど、
子供達の自然な雰囲気と、カンヌ俳優になった柳楽優弥くんの
目の演技の凄さとでどんどん作品の世界にのめり込ませる。

実際に起きた事件を元にしていることろが
観ていて心をえぐられるような気持ちにさせられ、
淡々と話が進んで行くほどに息苦しくなってしまうのだ。

「こんな母親は許せない」というだけの
そんな感想を書くつもりは無い。
もっともっと大きな問題を、
全ての大人達の問題を突き付けられたと思う。

冒頭、柳楽優弥くんが大きなトランクと少女とモノレールに
乗っているシーンで始まる。
モノレールに揺れながらそっと優しくトランクを撫でる
柳楽優弥くん。
そのシーンの意味を知った時に、
涙を流すことも無意味に感じる。 

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