続投です。

さて、最近読書にはまっています。

毎年秋になるとなぜか読書したくなります。
1週間とか2週間とかの期間限定だったりしますが。
まるで「秋の読書週間」みたいね。
ま、あんまり難しい本は眠くなっちゃうので駄目なんで、
ミステリーとか村上春樹とか吉本ばななとかよむんです。

で、今年は京極夏彦の新刊「百器徒然袋 風」「後巷説百物語」

その後「ちくま文庫怪奇探偵小説傑作選1 岡本綺堂集」
「徳間文庫 怪奇・怪談時代小説傑作選」
横溝正史の「八つ墓村」と読み散らしました。
今回は1か月ほど経ってもまだ読書熱はさめやらず、
さりとて新しい本を買うお金は無し。

そこで、古本屋を利用することに。
BOOKOFFとか近所に無いのですが、地元駅の構内にたまに出店しているのと、勤務先の駅の構内にもちっちゃい古本屋があるので物色をはじめました。
地元駅の古本屋では岡本綺堂の「傑作怪奇小説 鷲」を見つけました。それも読了に近付き、さて、次はどうしたものかと勤務先の駅の古本屋を物色。
この古本屋、3畳ほどのスペースなのでたくさん在庫があるわけでは無く、ま、3分もあれば一通りのタイトルは目を通せせます。店員さんは50歳過ぎくらいのおじさん。大きな書店にはいないような感じのおじさんで、ちょっと一杯引っ掛けながらしごとしているのかなぁて感じなんです。

特に何が読みたいと決めていた訳ではなく、文庫のコーナーをうろうろしていた私。1週間に1回くらいはうろうろしていましたが、買ったことはありませんでした。
うろうろうろうろ。5分以上迷っていたんです。
「できれば横溝か綺堂が読みたいかなー。ないなー。じゃあ、最近の作家でもいいかなー。でもあんまりおもしろそうじゃないなー」と思っていたその時。
「なにか探しているの?」と店員のおじさんが声をかけてきました。
本屋も接客するんですね。でもそのおじさんをあまり感じよく思っていなかった私はちょっとひきました。
「何読みたいの?」とおじさん。
「ミステリー」と私。
「日本の?外国の?」
「日本のかなー」
「日本のはたいしたことない。(←きっぱり)外国もののほうが絶対面白いよ」というおじさん。
もしかしてクリスティーとか薦められるのかと思いきや、
「これ面白いよ」とおじさんが勧めてくれたのはレイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」だった。
フィリップ・マーロゥという探偵の名前は知ってはいたけどチャンドラーの作品は未読だった。
「これはレイモンド・チャンドラーの傑作。有名な探偵フィリップ・マーロゥが出て来る。ハードボイルドでね、かっこいいんだ。これは凄く面白いよ。ミステリーを読む人でチャンドラーのこれを知らない人はいない(←さらにきっぱり)」と言ったおじさん。その瞳は自信にみなぎっていた。このおじさん、ただ者ではないのか?と思わせるその瞳。
信じてみるか。面白くなくても200円だからあきらめもつく。
でも何よりおじさんの自信たっぷりの「これ、面白いよ」と言う言葉は私のハートを揺さぶったのだ。
「買います」と言った私におじさんは本のカバーをつけながらこう加えた。
「チャンドラーはね、難しい言い回しや言葉がたくさん出て来る。だからちょっと読みにくいかもしれない。でも、チャンドラーのマーロゥのとっても有名な台詞が出てくるんだよ。ミステリーが好きなら読んでおいた方が良いよ」
私はすぐそのあと乗り込んだ電車の中で早速ページをめくり、チャンドラーに嵌まって行くのであった。

あの本屋のおじさんは本当はハードボイルドな人なのかもしれない。
「長いお別れ」読了したらおじさんに次のお薦め作品を聞きに行こうと思う。

なんだか私の文章もちょっとハードボイルドになってきたかなぁ?

そうでもないか。

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