プレセールも今日で終わった。
PM10:30  ほっと一息いれようと今夜は一番搾り350ml缶を開け新撰組!を見た。
PM11:00  ちょっと物足りなさを感じた私。明日は休みだからと缶酎ハイを開けた。ほろ酔い加減でいい気分。
AM12:00  小腹がすいたのでお手軽メニューの夜食を作った。まだ缶酎ハイは残っていて鼻歌が出るくらいにご機嫌だった。
AM2:00  テレビもそろそろ見飽きたのでそろそろ寝ようかなーなどと思ったその頃、アイツがすぐそばまで近付いて来ていることを私はまだ気付いていなかったのだ。 
AM2:05  キッチン方面からカサカサというかすかな物音が聞こえた。ごみ入れにしているレジ袋がカサカサ音をたてたのだ。「!!?何かが居る!?そう直感した私はそうっとキッチンのほうを振り返った。そしてキッチンと寝室の境界線に・・・・。
AM2:06  「ふぁーーー!」いた!アイツがいたのだ!しかもかなりデカイ!一体いつの間に、どこから忍び込んだのか!その姿を見て私の背筋は凍り付いた。酔いも一気にさめ、じんわりと汗が吹き出してくる。「とうとうアイツと対峙する時が来たのだ。」そう思うとひざがガクガクと震え今にも叫び出しそうになる。
AM2:07  しばらくお互いに身動きもせず、相手の動きを探りあう。アイツは大胆不敵に私の出方を伺っている。私は必死に考える。アイツをなんとかしなければ!
AM2:08  手近にあった雑誌を手に半歩アイツに近付くと気配を感じたアイツは素早くキッチンのゴミ袋の影に逃げ込んだ!
AM2:09  私のTシャツは汗でじっとりとして来た。心臓の音がバクバクと響く。さあ、今がチャンスだ。作戦を立てるのだ!アイツを生かしておくわけにはいかない。なんとしても息の根を止めなければ私の平穏な夜は訪れないのだ。誰の助けも借りることは出来ない。自分一人の力でアイツを倒さなければならないのだ。
AM2:10  分厚い雑誌ではアイツの動きを封じることは難しそうだ。しかし、手もとにはアイツに有効な化学兵器はない。以前の敵には有効だった制汗スプレーも10倍以上体の大きなアイツには効きそうもない。どうする!
AM2:12  アイツに使えそうな武器を必死に考える。今この部屋にあるものですぐに使えそうなもの、そしてパワフルな威力でアイツの動きを封じ、二度と立ち上がれないようにできるもの。そして私は生命保険のおばちゃんからもらったミッキーのカレンダーに目を付けたのだ!
AM2:14  昨年末にもらって未使用だったそのカレンダーは腰のあるしっかりとした紙質と適度なしなり感がある。これを丸めればかなり使える!
AM2:16  丸めたカレンダーを片手にアイツの近くへ忍び寄る。気付かれて逃げられては元も子もない。しかし、私は緊張と恐怖で息づかいも荒くなり「怖いよー怖いよー」とつぶやくことを止められずに居る。
AM2:18  勇気をふりしぼり、目の前の袋を唯一の武器でつっつくとアイツは慌てて飛び出して来た。攻撃のチャンスだったのだが私も慌ててしまい全く手が出せない。そしてアイツはそのままトイレのドアの隙間から中に逃げ込んでしまったのだ!
AM2:20  またもや作戦を練る。トイレの空間は私が武器を使用するには狭過ぎる。アイツにとってはまたとない有利な場所だ。なんとかアイツを広い場所へ引きずり出さねば。しかし、追いつめられたアイツは突然豹変するのだ。そうなったら私は悲鳴を上げ、逃げ出すことになるだろう。それはなんとかそししなければ。
AM2:25  汗だくになった私はトイレの前で立ち尽くした。アイツがトイレのどこにいるのか、それによって戦況は大きく変わるのだ。私は勇気を振り絞りそっと扉を開けた。
AM2:26  アイツだ!先日買ったばかりのペーパー12ロール入りのパックと壁の影に居る。扉からはそう離れていない。奥にいかれては更に戦闘は長引き私は疲弊してアイツと戦うことは出来なくなる。その前になんとかしなければ。しかし豹変したアイツがこちらへ向かってくることを考えるとまた足がすくんでしまう。
AM1:29  意を決した私はアイツにアイツに近付いた。アイツは12ロールのパックの下に頭を突っ込むようにしている。頭隠して尻隠さずとはこのことだ。これはチャンスかもしれない。
AM2:30  武器を振り下ろす練習をする。そして、12ロールパックを上から軽くたたいてみた。するとアイツは再び慌ててトイレから出て来た!またチャンスだ!しかし、恐怖心に負けてしまった私は再びアイツを攻撃出来ない。アイツは近く似合った紙袋の影に逃げ込んだ。
AM2:32  今度こそ決着を付けねばなるまい。三度目の正直だ。私は再度武器を振り下ろす練習をする。自分の腿を武器でたたき気合いを入れる。今度こそ私の平穏な夜を取り戻すのだ!
AM2:35  深呼吸を3回し、私は三度アイツの隠れた場所にアタックをかけた!
AM2:36  追いつめられ開き直ったアイツは今度はこちらに向かって突進して来た!今だ!私は武器を振り下ろした!軽く当たったためかアイツは慌てて方向転換をする。しかし私は逃げまどうアイツに連打の攻撃を浴びせた!何度か当たりアイツが動きを止めたその瞬間
AM2:37  私は渾身力を込めた一撃をアイツに食らわせた。なんともいえない手応えがあった。「あ゛ぁ〜〜〜」膝の力が抜けその場にへたり込む。勝った。勝ったのだ。大きなゴキブリを私は一人で退治したのだ!
AM2:38  退治したゴキブリは片付けなければいけない。私は大量のティッシュを手にアイツの骸の元へ向かった。全身が震えて手もともおぼつかなかったが、なんとかアイツを片付けたのだった。
AM2:40  かくして私とアイツとの戦いは終わった。しかし、いつ新しいアイツがやって来るとも限らない。今回の侵入ルートも定かではないのだ。次ぎなる敵との戦いのため明日は化学兵器のスプレーを買いに行こうと決意する私であった。

    

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